大阪大学 統合デザイン力教育プログラム

プログラムの概要

機械工学専攻長
辻 裕 教授
プログラム実施責任者
藤田喜久雄 教授

統合デザイン力教育プログラムとは

大阪大学は、教育目標として「教養」「デザイン力」「国際性」を掲げています。また、本学の中期目標において、大学院教育では課題を探求し展開する能力の育成を重視する方針が示されています。大学院工学研究科機械工学専攻による「統合デザイン力教育プログラム」は、モノやシステムの構想から実現に至るプロセスを創造的に実施する優れた人材の育成を総合工学である機械工学において展開しようとするものです。本プログラムは、製造業における本質的な変革をもたらすことが期待され、「地域に生き、世界に伸びる」本学の最重要な取り組みのひとつとして、文部科学省のGP(Good Practice)事業である2005年度の「魅力ある大学院教育」イニシアティブに採択されています。

本プログラムがめざすもの

Synthesis
…シンセシスからの統合デザイン力
設計方法論に基づいたデザインの構想力・展開力とチームワーク力
→システムの全体像を描き、その実現に向けた計画を立案し、推進する能力
Analysis
…アナリシスからの統合デザイン力
数学と力学を基礎として展開する機械工学の高度な専門的能力
→システムにおける機能や構造を支配する機械現象を総合的に解析する能力

本プログラムの要点

博士前期課程(マスターコース)
【基盤科目】 シンセシス系基盤科目としてプロジェクト型科目「プロダクトデザイン」を導入し、設計方法論についての講義と産学連携のもとでのデザインプロジェクトについての課題演習を並行して進めます。これにより、デザインの構想力・展開力やチームにおける人間力を養うとともに、専門的応用能力を修得します。一方、アナリシス系基盤科目として高度な力学基礎科目、共通基盤科目として基礎数学I・IIを開講し、最先端の研究を実施する上での基礎力を高めます。
【専門科目】 専門科目を領域に基づいて類別した8つの科目類から2科目類に含まれる科目群を重点的に履修し、専門知識を系統的に深めます。
【選択科目】 工学英語I・IIなどにより、研究者・技術者として必要なスキルを高めます。
博士後期課程(ドクターコース)
プログラムの要点博士論文の指導を受けながら、専門分野の授業だけでなく、企画・管理・指導能力などのリーダーシップにも優れた指導的役割を果たす研究者を育成する科目「プロダクトデザインマネージメント」を受講することができます。そこでは、マスターコース科目「プロダクトデザイン」におけるチームのコーチングを行います。

課程修了の研究者像

博士前期課程修了の研究者像
統合デザイン力
・製品や装置のコンセプトをデザインできる研究者
・デザインの実現に向けて物理現象を統合できる研究者
・複合領域における高度な解析能力をもつ研究者
博士後期課程修了の研究者像
統合デザイン力+リーダーシップ力
・専門分野における研究能力に基づいてプロジェクトのリーダーを担うことのできる研究者
・価値創出型の研究課題を自ら立案し推進できる研究者
・デザインをキーワードに学際分野を融合できる研究者