大阪大学 統合デザイン力教育プログラム

FDについての取組み

2006/02/01

平成17年度 第3回FDセミナー


講師:福田収一(首都大学東京・教授)
講日時: 2006年2月1日(火) 16:20 〜 17:50
場所: M4-101 講義室
題目:知・情・意を実現するG lobal PBL
        - Stanford University、上海交通大学・成均館大学との経験から -
概要:

 従来の工学では知識の蓄積といった「知」の体系化を重視してきた。しかし、社会の急激な多様化、グローバル化に対処するには、今後は、専門領域を超えて、知識、経験を結集し、「知」を創造してゆかなければならない。そこではコミュニケーションが重要な役割を果たす。したがって、与えられた目標をいかに効率的にこなすかというような戦術中心ではなく、戦略目標を決めるような場において、グローバルに活躍できる技術者育成には、「知」に劣らず、「情」、「意」に注意を払った工学教育が重要となる。本講演では、Stanford Universityと5年間実施してきたプロジェクト型製品開発クラスME310の共同プロジェクト、具体的には「縦列駐車支援システムの開発」、また、昨年から開始した上海交通大学、成均館大学との日中韓3ヶ国の協調設計プロジェクト「新たな買い物カートの開発」の体験から、国の文化の違いによりモノに対する意識が全く異なっており、意見の統合等が非常に難しいことを述べた。そして、グローバルで設計製作を行なっていく場合、技術知識のみだけではなく、法律や文化などに関する多くの知識が必要となることを講述した。

配布資料:
- 福田収一, "東京都立科学技術大学- スタンフォード大学とのPBL遠隔共同クラス-,"バーチャル・ユニバーシティ- IT革命が日本の大学を変える(2001),pp.195-205,アルク
- 菊池達也、柳澤秀吉、青木直人、福崎昭伸、 Vlaho KOSTOV、小西史一、福田収一, "グローバル・チーム・ベースド・プロダクト・デザイン教育の試み― 企業の“現実の問題”を課題とするプロジェクト・ベースド・ラーニング―," 教育システム情報学会誌Vol. 19, No.2, (2001), pp. 210-218.
- 福田収一. マークカトコスキー. ラリーライファー, "スタンフォード大学との遠隔PBL設計教育," 工学教育, Vol. 50, No. 3, (2002-5), pp.64-69.