平成11年8月

 

大阪大学機械工学系技術交流懇談会」設立趣意書

(現 大阪大学機械工学系技術交流会)

 

大阪大学機械工学系技術交流懇談会

会長 城野政弘

 

 

 これまでの日本の繁栄は製造業とそこで働く技術者の努力によるものであったことは、疑う余地がありません。しかし、金融不安に端を発した最近の景気低迷のなか、設備投資とともに研究投資が大幅に削減され、製造業の力が低下する傾向にあります。

 また、長期的に見ますと、一時、世界一ともてはやされた日本の製造業は、高コストのため、競争力の面で苦しい状況に至っています。このような状況を変えるには、企業間の連携、主力製品の変更、研究開発と生産の国内外での分担など、構造改革が必要であるという認識はかなり以前から多くの経営者、技術者の間では一般的です。企業では実際にその努力もなされて来ましたが、現在の状況はより一層の改革と新たな発想が必要であることを示しています。

 景気低迷がこれまでのように短期的なものならば、時の過ぎるのを待っていればよいのですが、現在の状況はそうではないようです。何らかのこれまでにない大きな努力なしには、かつての英国がたどった繁栄から低迷への長期低落と同じ道をたどる恐れがあります。

 このような状況のなか、技術の理論的保証を与え、基礎となるアイデアを発信し、製造業へ人材を送り出す役割を担っているわれわれ大学人も大きな危機感をもっています。確信のある解決策をもっているわけではありませんが、何らかの行動を起こす必要性を強く感じています。

 その一つとして、産業界と大学が継続的に技術交流をする場として「大阪大学機械工学系技術交流懇談会」を設けました。これまで、各教官個人のレベルでは産業界と技術交流をしてきましたが、大阪大学機械工学系として組織的な交流はしてきませんでした。その反省の意味も含め、別紙にありますように、講演、懇談、情報交換、技術交流、学生への啓蒙活動などを通して、広い視野での交流をすることにより、長期的な問題の解決に向けた活動を行なおうというものです。

 各企業におかれましては、以上の趣旨にご賛同いただき、長期的視野でこの技術交流懇談会に参加されますよう、お願い申し上げます。